1990 年 100 巻 6 号 p. 695-
外来通院中の比較的軽症と考えられるPSS患者において,呼吸機能に関する問診システムを考案し,呼吸機能検査,胸部X線所見との比較検討を行った.各問診項目の得点を合計した自覚症状のスコアは呼吸機能をよく反映しており,さらに自覚症状のスコアが3以上の例は肺病変に関する十分な注意が必要な症例と考えられた.各問診項目の得点,特に階段の昇降はこれらの呼吸機能と相関することが明らかとなった.また,動悸,息切れに関する問診内容は胸部X線の肺線維症診断項目の多くと関連が認められた.強皮症患者を外来にて観察する際には,我々の考案した問診システムが有用であると考えられる.