抄録
近年,肝,骨格筋,胎盤など各種臓器に非ライゾーム系酵素のひとつであるhigh molecular weight proteaseの存在が報告されている.我々はウイスター系ラット皮膚より,硫安分画,Phenyl Sepharose CL-4B疎水性カラムクロマトグラフィー,HPLCゲル濾過を用いて本酵素の分離精製を試み,HPLCゲル濾過上およびアクリルアミドゲル電気泳動上,単一なタンパクバンドとして分離精製することに成功した.本酵素は156倍にまで精製され,その回収率は27.3%であった.また,ゲル濾過にて判定した分子量は約75万,SDS存在下の電気泳動により分子量約2.0万から3.5万の間に4~5本のバンドが観察され,本酵素は数個のサブユニットから形成されていることが判明した.