1990 年 100 巻 7 号 p. 749-
10例の有棘細胞癌における,γ-glutamyl transpeptidase(γ-GTP)の発現と,腫瘍の分化度との関連について検討した.γ-GTP活性の強度は,高分化型で高く,低分化型で低い傾向がみられ,γ-GTP活性の発現が,腫瘍の分化度に関連している可能性が示唆された.γ-GTP活性の腫瘍内局在は,かならずしも腫瘍の分化度を反映していなかった.皮膚癌において,γ-GTPは発癌のマーカーであると共に,癌細胞の異常な分化に関連するマーカーである可能性が考えられた.