日本皮膚科学会雑誌
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全身性強皮症患者血漿中の血小板由来成長因子濃度について
相馬 良直竹原 和彦石橋 康正
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1992 年 102 巻 3 号 p. 343-

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抄録

全身性強皮症患者36例及び年齢を一致させた健常人21例について,血漿PDGF (platelet-derived growth factor)濃度をラジオイムノアッセイにより測定した.強皮症群では240±138pg/ml,健常群では173±55pg/mlで,強皮症群で有意の高値を示した.250pg/ml以上の高値を示したのは強皮症群で14例(38.9%)であったのに対し,健常群では1例(4.8%)のみであった.抗核抗体別にみてみると,抗トポイソメラーゼI(Topo-I)抗体陽性患者の血漿PDGF濃度は健常群に比し有意な高値を示したが,抗Topo-I抗体を持たない患者では健常群と差がなかった.これらの結果から,PDGFが全身性強皮症のpathogenesisにおいて重要な役割を果たしている可能性が示唆された.

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© 1992 日本皮膚科学会
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