1995 年 105 巻 4 号 p. 575-
soluble intercellular adhesion molecule-1(sICAM-1)は悪性黒色腫などの悪性腫瘍や尋常性乾癬などの炎症性皮膚疾患の患者血清中において増加することが報告されている.今回,我々はSLE患者における血清sICAM-1を測定し,臨床症状および検査所見との関係を検討した.SLE患者31人とコントロールとして健常人47人から血清を得,2種の抗ICAM-1モノクローナル抗体(CL207,HA58)を用いたdouble determinant immunoassayによってsICAM-1を測定した.9人の患者においては経過を追い,数回にわたって採血を行った.結果として患者血清中のsICAM-1は健常人に比べて有意に高値を示し,血沈やIgG,抗核抗体等の検査所見とも相関関係が見られた.経過を追えた症例では血管障害性病変の程度とよく相関して変動しており,SLEの疾患活動性の指標の一つになり得ると思われた.