日本皮膚科学会雑誌
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同種骨髄移植後急性皮膚GVHD:自験23例の臨床的病理組織学的検討
菊池 新清水 宏西川 武二岡本 真一郎池田 康夫
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1996 年 106 巻 3 号 p. 285-

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抄録

慶甕義塾大学医学部病院において1992年~1995年に経験した骨髄移植後急性皮膚GVHD23症例につき,臨床的・病理組織学的に検討した.年齢は2歳~55歳に認められ,発症時期は骨髄移植後7~45日と移植片生着および末梢白血球数の立ち上がりにほぼ一致して発症した.臨床的にはやや紫紅色調の丘疹~紅斑を呈するものがほとんどで,手掌・足蹠ではびまん性の紅斑性局面を呈するものが多かった.発疹は主として四肢末端に好発するが,広範囲に発疹を認めるものでは腸管障害,肝機能障害など他臓器のGVHDの症状を併発するものが多かった.病理組織学的には,表皮基底層主体の海綿状態,液状変性,異常角化細胞,satellite cell necrosis,表皮変性などさまざまな変化を認めた.薬疹との鑑別が困難な症例も認められたが,発疹学的特徴,出現時期,病理組織学的所見を総合すると,かなりの急性皮膚GVHDは診断可能であると考えられた.

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© 1996 日本皮膚科学会
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