日本皮膚科学会雑誌
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106 巻, 3 号
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  • 市橋 正光
    1996 年 106 巻 3 号 p. 225-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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  • 伊東 優, 河 陽子, 馬場 タカ子, 窪田 泰夫, 溝口 昌子
    1996 年 106 巻 3 号 p. 239-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    マウス神経冠細胞培養系を用いて,c-KIT陽性メラノサイト前駆細胞に対するSCFの効果を検討した.その結果,SCF添加培地で培養後,SCFを除去あるいはモノクロナール抗c-KIT抗体(ACK2)を添加すると,apoptosisが誘導されることか判明した.apoptosisは,TUNEL法に準じた酵素抗体法および電顕的に証明された.メラノサイトにおいてもc-KITに依存している時期では,その維持・分化にc-KIT/SCF情報伝導系の関与が重要で,これが障害されるとapoptosisに陥ることがin vitroで示唆された.
  • 久志本 常人, 窪田 泰夫, 河 陽子, 溝口 昌子
    1996 年 106 巻 3 号 p. 249-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    ヒト頭皮毛包由来毛乳頭細胞(DPC)の単離および継代培養に際し,酵素処理,細胞外マトリックスのコーティングが毛乳頭細胞増殖に与える影響を検討した.単離毛乳頭の酵素処理では,コラゲナーゼ処理群は未処理群と比較して培養皿への接着・シート形成ともに良好であった.しかし,ヒアルロニダーゼおよびディスパーゼ処理では未処理群よりシート形成において良好な結果は得られなかった.DPCの培養時に細胞外マトリックスで培養皿をコーティングすると未コーティングで培養したDPCに比べ有意に増殖を促進した.特にファイブロネクチンでコーティングした培養皿で培養したDPCは最も良好な増殖促進作用を示した.以上の如く,より長期に多量のDPCの培養が可能な方法を確立した.次に,各種細胞成長因子添加によるDPC増殖能の検討を行った.EGF,TGF-α,acidic-FGF,KGFは,統計学的に有意に細胞数の増加を認め,TGF-β1は有意に抑制した.しかし,促進作用を示した2種類の成長因子を同時に添加してもDPC増殖に対する,相乗作用は認めなかった.さらに、現在発毛促進剤として知られるminoxidilおよびその代謝産物であるminoxidil sulfateを添加し,DPC増殖に対する作用を検討したが,両者ともDPC増殖を促進せず,逆に,濃度依存性に抑制した.以上の如く,本法はDPCに与える種々の因子の検討が可能である.
  • 清原 祥夫
    1996 年 106 巻 3 号 p. 261-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    Pheomelaninの主要前駆物質である5-S-cysteinyldopa(以下5-S-CD)は近年melanomaの生化学的腫瘍マーカーとして用いられるようになってきた.とくに患者血清中の5-S-CD値が最も鋭敏で臨床的病勢をよくあらわしており,検体試料としての安定性や採取,保存の簡便性,患者の年齢,腎機能による個人差が少ないなどの点で優れていることが報告されている.今回の研究では長期間にわたり経過観察している自験melanoma患者46例について血清5-S-CD値を経時的に測定し,その変動と臨床経過の詳細な解析を行った.その結果,(1)stageⅠ~Ⅲでは血清5-S-CD値はほとんど10.0nmol/l以下で変動するが,経過観察中に血清5-S-CD値が常に10.0nmol/lを越えるような場合には遠隔転移を来していることが考えられる.(2)stageⅢからstageⅣに進行した例は28例中に4例認められ,その血清5-S-CD値の経時的変動の観察において,stageⅢの期間では正常値域での変動を示していたが,stageⅣに進行してからは有意に高い異常値を示すようになった.(3)stage Ⅳでは値血清5-S-CD値が40.0nmol/lを越えるころから急速な病勢の進行や悪化が認められ,その後の生存期間は2~10ヵ月(平均4.2ヵ月)と極めて不良であった.(4)stageⅠ~Ⅲの術後に血清5-S-CD値は術前に比べ有意な低下を示し,stageⅣでも集学的治療の後,多くの例で血清5-S-CD値の低下が認められ,治療効果の有無についての判定の有用な指標に成り得る場合がある.(5)遠隔転移を来した例でも腫瘍死するまで血清5-S-CD値が異常高値を示さない場合(1例)や遠隔転移を来しながらもなお数ヵ月以上の間,血清5-S-CD値が正常値域での変動に留まった場合(3例)もあった.以上のことからmelanoma患者の血清5-S-CD値を経時的に観察することは遠隔転移の早期発見やその後の生存期間を推測する生化学的パラメーターとなり得,治療効果の有無についての指標になり得る場合があると考えた.しかしstageⅣでも血清5-S-CD値が正常値域での変動に留る場合もあるのでその診断には注意を要すると思われる.
  • 涌井 史典, 森嶋 隆文
    1996 年 106 巻 3 号 p. 271-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    Spitz母斑とamelanotic melanomaの鑑別は臨床的にも,病理組織学的にも困難なことがある.そこで,無色素性のSpitz母斑8例とamelanotic melanoma原発12例,局所再発2例を被験材料として,cytofluorometryによる細胞核DNA量の分析が両疾患の鑑別の客観的指標になりうるか否かを検討し,次の興味ある結果をえた.1平均核DNA量 amelanotic melanomaの平均値は3.73±0.76Cで,Spitz母斑の2.14±0.14Cより有意に高値であった(p<0.001,Wilcoxon検定).amelanotic melanoma原発例の病型間に有意差は認められなかった.2 histogramとpattern分類 Spitz母斑ではpattern Ⅱの1例を除けば,いずれの例もpattenⅠ,diploid patternで良性腫瘍の所見に一致していた.amelanotic melanomaではpatternⅢ5例,patternⅣ9例で,全例aneuploid patternであり,悪性腫瘍に一致する所見であった.以上の結果から,細胞核DNA量の分析はSpitz母斑とamelanotic melanomaの鑑別に有力な客観的情報をもたらしてくれるものと思われた.
  • 木村 瑞穂, 石橋 明
    1996 年 106 巻 3 号 p. 281-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    最近,多形滲出性紅斑(EEM)の皮疹部等の皮膚に,単純疱疹ウイルス(HSV)DNAを高率に証明した報告が相次いでいる.今回,EEMの原因決定,発症機序解明の一端として,皮疹部からHSVおよ肺炎マイコプラズマDNAの検出を試みた.EEM(ないしEEM型皮疹)28例(2例からは肺炎マイコプラズマが咽頭から分離された),Sweet病3例など計32症例34検体の皮疹部生検皮膚ホルマリン固定・パラフィン包埋標本の50μm切片からDNAを抽出し,PCR法を施行した.肺炎マイコプラズマのDNA断片が増幅された症例はなく,HSVのDNA断片は1例で確認され,HSV2型に特異的なものであった.EEMにおいては,時期により、また少数例においてのみ発疹部に原因微生物が存在するに過ぎず,高率に証明した外国の報告で用いられているプライマーのHSV特異性に問題があるものと考えた.
  • 菊池 新, 清水 宏, 西川 武二, 岡本 真一郎, 池田 康夫
    1996 年 106 巻 3 号 p. 285-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    慶甕義塾大学医学部病院において1992年~1995年に経験した骨髄移植後急性皮膚GVHD23症例につき,臨床的・病理組織学的に検討した.年齢は2歳~55歳に認められ,発症時期は骨髄移植後7~45日と移植片生着および末梢白血球数の立ち上がりにほぼ一致して発症した.臨床的にはやや紫紅色調の丘疹~紅斑を呈するものがほとんどで,手掌・足蹠ではびまん性の紅斑性局面を呈するものが多かった.発疹は主として四肢末端に好発するが,広範囲に発疹を認めるものでは腸管障害,肝機能障害など他臓器のGVHDの症状を併発するものが多かった.病理組織学的には,表皮基底層主体の海綿状態,液状変性,異常角化細胞,satellite cell necrosis,表皮変性などさまざまな変化を認めた.薬疹との鑑別が困難な症例も認められたが,発疹学的特徴,出現時期,病理組織学的所見を総合すると,かなりの急性皮膚GVHDは診断可能であると考えられた.
  • 矢島 千穂, 熊切 正信, 大河原 章, 深谷 徹, 青柳 俊, 足立 功一, 大熊 憲崇, 梶田 哲, 高木 章好, 竹田 勇士, 伝法 ...
    1996 年 106 巻 3 号 p. 293-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    開業医における乾癬診療の実態は今までほとんど明らかにされていない.そこで,北海道全域の皮膚科単科標榜84医療機関に所属する全医師86人を対象とした意識調査(回答率88.4%76医師)と北海道全域からの任意抽出11施設における症例調査(1993年1年間受診乾癬全症例1,041例)を実施した.1,041例のプロフィールをまとめると,性差は1.6:1(男642例,女399例),年齢分布,皮疹出現部位などは大学病院,総合病院からの報告と比べ大差はない.病型では局面型が86.5%で,急性滴状型が11.3%を占め,特殊型は8例と少ない.受診患者数の季節的変動はみられず,新患総数に対す比率は0.78%であった.全身療法では,レチノイド内服例が109例10.5%と比較的多く,ステロイド内服例は4例0.4%,免疫抑制剤内服は16例1.5%と少なく,メソトレキセート使用例はない.一方抗ヒスタミン剤等の対症療法実施例は354例30.9%で,内服療法を行っていない症例は558例53.7%と過半数を占めた.局所外用療法で「主たる外用剤」として使用されている薬剤はステロイド外用剤が多く,1,041例中894例86.0%に使用されていた.内訳はvery strongが508例,48.8%,strongが224例21.5%でこの両者を合わせて732例70.3%と大半を占めmedium,strongestが低頻度で続く.補完的に使用された「従たる外用剤」もステロイド外用剤が642例と多数を占めるが,その内訳はvery strong,strongの割合が減って,逆にmediumの割合が上昇し,weakに属するものも44例4.2%に使用され,さらに非ステロイド系外用剤の占める割合も増加していた.意識調査でも61人80.1%の医師は強弱の異なるステロイド外用剤を症例によって使い分けていると回答し,またステロイド外用剤の副作用に関して,60人中78.9%の医師が副作用を実際に経験していると答え,ステロイド外用剤の使用に当っては68人89.5%の医師が副作用出現の不安を感じていると回答している.なお今後使用を予定している治療法の調査で,ステロイド外用剤は最上位にランクされている一方,将来の治療法の中での位置づけでは「主要な治療法として残るが使用頻度は減る」と予測する回答が49人64.5%と過半数を越えるなど,効果と副作用の間に揺れる微妙な心理が反映されているように思われた.活性型VD3軟膏は意識調査の分析から,今後ステロイド外用剤との併用ないしは代替え薬剤として強く期待されていることを示す結果が得られた.PUVA療法に関しては,症例および意識調査結果から開業皮膚科医療には現在のところ本格的には取り込まれてはいないことが明らかとなった.次に治療成績は,5段階評価で,医師,患者ともにある程度の満足感が得られる著効21(2.2%),有効325(33.7%)を合わせると346例(35.9%)であった.特にレチノイド内服群109例,PUVA療法実施群35例では著効,有効例の合算値がそれぞれ45.4%,48.6%の高値を示し,レチノイドおよびPUVAのどちらも行っていない群897例における34.1%に比べ明らかに
  • 久松 由紀子, 松永 剛, 横関 博雄, 片山 一朗, 西岡 清, 今井 雅子, 前田 浩利
    1996 年 106 巻 3 号 p. 301-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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    IgEの産生障害,Tリンパ球の異常を伴うsevere combined immunodeficiency患児に見られた皮膚症状について報告した.経過中,タ至イの鳥肌様局面,粃糠様鱗屑、軽度苔癬化局面を伴う,小児乾燥型湿疹類似病変,汗疹様の小丘疹を認めた.組織学的に海綿状態と汗管周囲にCD4陽性のリンパ球,組織球,好酸球,巨細胞の浸潤を認めたが,発汗テストにおいては異常を認めなかった.あわせて皮膚病変部よりRT-PCR法によるサイトカインの発現を検討し,TNF-αおよびIL-lαの発現を認め,これらが皮疹形成の機序の一つと考えられた
  • 中溝 慶生
    1996 年 106 巻 3 号 p. 307-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
    ジャーナル 認証あり
  • 1996 年 106 巻 3 号 p. 315-
    発行日: 1996年
    公開日: 2014/08/13
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