日本皮膚科学会雑誌
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メラノサイトに関する最近の知見
塚本 克彦
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1998 年 108 巻 13 号 p. 1849-

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抄録

この十年間,分子生物学の発展に伴い,メラニン産生に関わる蛋白が次々と発見され,その遺伝子がクローニングされてきた.これまでは,チロシナーゼのみが,メラニン産生を調節する唯一の酵素と考えられてきたが,現在では,チロシナーゼ遺伝子ファミリーと呼ばれる複数の酵素がメラニン産生に関与していることがわかっている.また,現時点では,酵素活性は認められないものの,メラノソーム構造蛋白としてメラノサイトに特異的に発現している蛋白の遺伝子もいくつかクローニングされている.さらに,メラノサイトの増殖・分化に関与する外部からの因子(サイトカインやホルモンなど)についても,この十年で目覚ましい発展があった.本稿では,これらのメラノサイトに関する最近の知見を概説する.

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© 1998 日本皮膚科学会
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