日本皮膚科学会雑誌
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108 巻 , 13 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 塚本 克彦
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1849-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    この十年間,分子生物学の発展に伴い,メラニン産生に関わる蛋白が次々と発見され,その遺伝子がクローニングされてきた.これまでは,チロシナーゼのみが,メラニン産生を調節する唯一の酵素と考えられてきたが,現在では,チロシナーゼ遺伝子ファミリーと呼ばれる複数の酵素がメラニン産生に関与していることがわかっている.また,現時点では,酵素活性は認められないものの,メラノソーム構造蛋白としてメラノサイトに特異的に発現している蛋白の遺伝子もいくつかクローニングされている.さらに,メラノサイトの増殖・分化に関与する外部からの因子(サイトカインやホルモンなど)についても,この十年で目覚ましい発展があった.本稿では,これらのメラノサイトに関する最近の知見を概説する.
  • 久保 正英, 山根 謙一, 矢澤 徳仁, 尹 浩信, 玉木 毅, 菊池 かな子, 相馬 良直, 玉置 邦彦
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1857-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    限局性強皮症患者46例,好酸球性筋膜炎患者8例および汎発性強皮症患者34例および健常人52例において,血清ヒアルロン酸濃度を測定した.血清ヒアルロン酸は限局性強皮症患者46例中3例で高値を示したが,健常人と比較して有意な差は認められなかった.好酸球性筋膜炎患者8例中4例で高値が認められ,汎発性強皮症患者(34例中11例)と同様に有意に高率に血清ヒアルロン酸高値例が認められた.限局性強皮症よりも好酸球性筋膜炎において血清ヒアルロン酸高値例が多かったのは後者の方がより線維化病巣の範囲,体積が大きいことが理由ではないかと考えた.また,好酸球性筋膜炎は一般に内臓病変を伴わない疾患であるので,本症における血清ヒアルロン酸高値は,皮膚・皮下および筋膜の炎症と線維化,すなわち同部における線維芽細胞の活性化に原因を求めることができるのではないかと考えた.
  • 林 伸和, 五十嵐 敦之, 松山 友彦, 北原 比呂人, 原田 美貴, 園田 仁志, 原田 昭太郎
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1863-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    手術後臀部に浸潤を触れる紅斑や潰瘍を形成した症例を経験し,その皮疹の形態等より単なる褥瘡とは考えにくい症例を含んでいるため,手術後の臀部皮膚障害について症例を集め臨床研究を行った.1995年6月より1997年5月の2年間に渡り,当院中央手術室で行ったすべての手術患者を対象にした.全手術件数の0.26%に当たる18例に紅斑を認めた.原因の一つとして電気メスを考え対策を講じたところ,症例は著明に減少した.最近用いられているフローティングタイプの電気メスでは,一般的には体内から電極板以外に電流は流れないとされているが,フローティングタイプでも古い機械ではフローティングの効率は落ち,漏れ電流が存在している.この漏れ電流が,臀部のように,消毒液や汗がたまりやすく湿潤した部位から,手術台を経由して電気メス本体に還流するために,臀部に障害を生じるのではないかと考えた.
  • 伊藤 文彦, 松尾 忍, 伊部 昌樹, 豊田 典明, 高橋 英俊, 山本 明美, 橋本 喜夫, 飯塚 一
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1871-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
    ジャーナル 認証あり
    高齢者の顔面に多発する丘疹として発症したSteatocystoma Multiplex(SM)の8症例を報告した.いずれも遺伝傾向なく,毛髪,爪の異常も認めなかった.病理組織学的には基本的に通常のSMと同様であったがeruptive vellus hair cyst(EV)を合併した症例が2例,SMとEVの両方の所見を持つhybrid cyst様の組織像を呈したものが1例あり,両者の近縁性が示唆された.通常のSMは思春期頃,体幹・上肢に好発し,顔面発生例は比較的稀とされているが,自験8例はこれとは異なる特徴的な臨床像を呈することからfacial variant of the agedとして報告した.
  • 小泉 麻奈, 中山 秀夫, 海老原 全
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1881-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    汎発性脱毛症,多発性融合性円形脱毛症などの難治性円形脱毛症(壮年性脱毛症を除く)106例について検査結果,治療成績を集計したので報告する.症例は男性37人,女性69人で,平均年齢26.5歳であった.検査結果では末梢血,肝機能に著変なく,甲状腺機能異常は全例で認めなかった.免疫グロブリンはIgG,M,Aは著変なく,IgEのみ平均279IU/mlと軽度上昇し,抗核抗体は31%に陽性を示した.蓄尿中17ケトステロイド(17KS)低下は20.5%に認められ,X線上,下垂体付近の石灰沈着が24.1%認められた.また組織学的には毛嚢数の減少,萎縮と細胞浸潤が、正常(コントロール)頭皮に比べて有意差があった.浸潤細胞はCD-4,1,HLA-DR陽性細胞が主で,毛嚢消失部にも存在した.治療に関しては,レイソ・スチーマー療法、101J,SADBE,PUVAなどで治療をおこなった結果,平均28.5ヵ月の観察期間で有効率60.8%であり,全治,略治は11例(14.8%)であった.治療が奏功した症例と無効であった症例について,その関連因子を統計学的に検討したところ,悪化してからの年数と皮脂量で両者に有意差を認めた.
  • 高橋 生世, 佐々木 哲雄, 相原 道子, 中嶋 弘, 黒澤 伝枝
    1998 年 108 巻 13 号 p. 1893-
    発行日: 1998年
    公開日: 2014/08/19
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    症例72歳,女.初診の2ヵ月前から両肩・両上肢に瘙痒を伴う紅斑が出現し拡大.1ヵ月前から下肢に水疱も出現したため当科紹介受診.四肢・体幹に環状から多型の紅斑が認められ,左大腿部では紅斑に水疱を伴っていた.血清抗核抗体1,280倍(discrete speckled),抗SS-A抗体16倍と陽性,抗SS-B抗体(-),TP7.6g/dl(γ-G 30.5%).病理組織では表皮の水疱形成と真皮の血管周囲にリンパ球を主とし好中球,好酸球,核塵を混ずる炎症細胞浸潤が認められ,同組織の蛍光抗体直接法で真皮中層の血管壁にIgM,C3,C1qの沈着が認められた.眼,口腔の乾燥症状あり,口唇唾液腺生検および眼所見も含めシェーグレン症候群とそれに伴う紅斑および水疱と診断された.プレドニゾロン20mg/日の内服で皮疹は軽快した.本例のように類天疱瘡様の皮疹を呈したシェーグレン症候群の報告は過去に見出せず貴重な症例と思われた.
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