日本皮膚科学会雑誌
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Progressive Systemic Sclerosis sine Scleroderma 自験例と文献例からみたその臨床的特徴について
山根 謙一尹 浩信矢澤 徳仁久保 正英菊池 かな子相馬 良直竹原 和彦玉置 邦彦
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2000 年 110 巻 2 号 p. 183-

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抄録

Progressive Systemic Sclerosis sine Scleroderma(以下sine scleroderma)と考えられた症例を経験したので報告する.症例は70歳,女性.レイノー症状と食道逆流症状の増悪を主訴に当科受診.爪郭部出血点(NFB)を認めた以外に,強指症や近位皮膚硬化,び漫性色素沈着,舌小体短縮,手指屈曲拘縮,指尖部虫喰瘢痕など強皮症に伴う皮膚所見を認めなかった.抗細胞質抗体及び抗SS-A抗体陽性.前腕伸側の皮膚病理組織像では真皮膠原線維の膨化・増生を認めなかった.全身検索にて肺線維症,逆流性食道炎,食道蠕動能・食道括約筋収縮能低下,肺高血圧症を認めた.通常の汎発性強皮症は特徴的な皮膚硬化の存在によって診断可能であるが,sine sclerodermaは皮膚硬化を欠くため診断が困難である.自験6例について解析するとともに,現在まで報告されているsine sclerodermaの臨床症状の特徴をまとめた.

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© 2000 日本皮膚科学会
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