日本皮膚科学会雑誌
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原著
乾癬の病態と治療に関する本邦における一般認識:全国アンケート調査の結果から
矢口 均真鍋 求小川 秀興
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2001 年 111 巻 9 号 p. 1357-1361

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抄録

乾癬の病因を解明する上での今後の課題,及び本邦における乾癬の治療の現況等を明らかにするため,日本乾癬学会に所属する全国の主要施設に対しアンケート調査を行った.その結果,今後の課題としては,遺伝子解析,サイトカインを中心とした免疫異常の解明が多数揚げられた.また治療の現況としては,全身療法では,(1)シクロスポリン内服,(2)レチノイド内服が多用され,局所療法では,(1)ビタミンD3外用,(2)ステロイド外用,及び(3)外用PUVA療法が頻用されていた.一方,併用療法では,(1)低用量レチノイド内服とステロイド外用,あるいは(2)低用量レチノイド内服と外用PUVA療法を選択する傾向が強くみられた.これらの結果は,現時点における乾癬の病態と治療法に対する一般的認識をよく反映しているものと思われる.

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© 2001 日本皮膚科学会
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