日本皮膚科学会雑誌
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原著
抗デスモグレイン抗体価が二重膜濾過血漿交換(DFPP)の効果判定に有用であった尋常性天疱瘡の1例
王生 淳子
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2002 年 112 巻 10 号 p. 1377-1380

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抄録

23歳,女性の尋常性天疱瘡の患者に対して,1~1.5 mg/kgのステロイド内服治療を行うも皮疹に軽快がみられず,抗デスモグレイン(Dsg)抗体価の低下も認められなかった.難治症例と考え,二重膜濾過血漿交換療法(DFPP)を2カ月間に計18回施行したところ,10回目頃より水疱の新生が止まり,抗Dsg抗体価も低下し始めた.その後も抗体価は低値を示し,皮疹の改善が見られたためDFPPを終了,ステロイドの減量を開始した.抗Dsg抗体価はDFPPの効果的な施行回数や終了時期の判定に有用であると考えられる.

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© 2002 日本皮膚科学会
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