日本皮膚科学会雑誌
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原著
表在性皮膚悪性腫瘍における5-aminolevulinic acidを用いた外用photodynamic therapyの治療成績の検討
小林 美幸中瀬古 裕乃秋田 洋一玉田 康彦松本 義也
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2002 年 112 巻 12 号 p. 1577-1583

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抄録
日光角化症を中心に,Bowen病,表在型基底細胞癌に対して,5-aminolevulinic acid(以下ALAと略す)の外用後,エキシマダイレーザーを照射する光線力学的療法(photodynamic therapy:以下PDTと略す)である外用ALA-PDTを行った.日光角化症の患者34名,48病変,Bowen病の患者15名,20病変,表在型基底細胞癌の患者1名,4病変において,その有用性を検討した.その結果,1回のALA-PDTにて病変部が消失あるいは50%以上縮小した割合は,病巣別にて日光角化症では83.4%,Bowen病では65.0%,表在型基底細胞癌では100%,症例別にてそれぞれ88.2%,66.7%,100%であった.外用ALA-PDTは侵襲が少なく,整容的に優れており,高齢者にも少ない負担で施行でき,表在性皮膚悪性腫瘍に対して有用な治療法の1つと考えられた.
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© 2002 日本皮膚科学会
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