日本皮膚科学会雑誌
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原著
大分県における皮膚癌検診
安西 三郎澁谷 博美寺師 浩人荒川 晶子阿南 隆松尾 由紀竹内 善治波多野 豊片桐 一元高安 進藤原 作平
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2003 年 113 巻 10 号 p. 1553-1560

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抄録

2000年,2001年大分県内において施行した皮膚癌検診の結果につき統計学的検討を行った.第一次産業従事者の殆どが農業で占められる直入町,漁業で占められる姫島村の2地域において検診を実施した.日光角化症の日本人人口10万人当りの有病率は,姫島村では1,274人(2000年),1,238人(2001年),直入町では312人(2000年),121人(2001年)であった.また基底細胞癌の有病率は姫島村では536人(2000年),48人(2001年),直入町では29人(2000年),30人(2001年)であり,日光角化症,基底細胞癌ともに姫島村が高値を示した.一般に農業と漁業はいずれも日光曝露機会が多い職業と考えられるが,今回の検診結果から両者における日光曝露量には差があることが推察され,このことが有病率の差として表れている可能性が考えられた.また,アンケート調査の結果,スキンタイプIのグループはスキンタイプII,IIIに比較し,高いAK有病率を示した.

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© 2003 日本皮膚科学会
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