日本皮膚科学会雑誌
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113 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
生涯教育講座
  • 増澤 幹男
    原稿種別: 生涯教育講座
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1523-1533
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    血管肉腫の症例や集計解析報告は数多くあるが,系統的治療法の指針が示されてこなかった.近年実施されている根拠のない集学的治療法に警鐘を鳴らす意味で,本稿に北里大学病院皮膚科で現在実施されている治療戦略を提示した.治療にかかわる重要事項としてまず熟知すべき血管肉腫特有の性状を挙げた.他種の悪性腫瘍とはかなり異なる特性があることを認識すべきである.次に治療法として外科療法,放射線療法,抗腫瘍剤療法,免疫療法があるが,実施するにあたり把握しておかなければならない問題点を提起した.治療自体が病勢を悪化させる危険性があることを強調した.さらに症例の病期にあった選択すべき治療法を系統的に列記した.最後に十分なインフォームドコンセントをとり,告知することで患者および家族との協力体制を整えることの重要性を述べた.
原著
  • 近藤 千晴, 中瀬古 裕乃, 小林 美幸, 三笠 聖美, 玉田 康彦, 松本 義也
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1535-1539
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    菌状息肉症の紅斑期・扁平浸潤期の患者7名,10病変に対し,5-aminolevulinic acid(ALA)を用いた外用・光線力学的療法(ALA-PDT)を行った.紅斑期病変ではエキシマダイレーザーの照射総量は80 J/cm2,扁平浸潤期病変には200~600 J/cm2の照射で7例中6例の9病変において皮疹の消退と組織学的に異型リンパ球の消失が認められた.外用ALA-PDTは非侵襲的で,何度でも繰り返すことができ,安全性の高い治療法であることから,菌状息肉症に対し,有用な治療法の1つとなりうると考えられた.
  • 近藤 章生, 赤坂 江美子, 田宮 紫穂, 梅澤 慶紀, 飯塚 万利子, 松山 孝, 小澤 明, 福永 有希, 水野 寛, 岩崎 泰政
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1541-1544
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    37歳男.自殺企図にて接着剤除去液(主成分:キシレン)を左肘部屈側に自己注射.数時間後より同部に,疼痛・腫脹が出現.局所安静,クーリングと補液にて加療を行った.経過中,キシレンによる中毒症状と考えられる肝機能障害と尿中メチル馬尿酸の軽度上昇を認めたが,約2週間で臨床症状とともにほぼ改善した.その後,転地のため他院で経過観察されていたが,約2カ月後より同部の症状が増悪,潰瘍化し,デブリードマンが施行された.術中および病理所見上,脂肪織の懐死が確認された.キシレンのような脂肪織に親和性の高い有機溶剤による脂肪織炎では,組織の変性も考慮し,直後のみならず長期の経過観察が必要であると思われた.
  • 藤沢 康弘, 山本 明史, 岩田 浩明, 野呂 佐知子, 山﨑 直也
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1545-1551
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    血管肉腫は極めて予後不良であり多くの症例で肺転移を生じ,しばしば血気胸を起こして致死的となる.血管肉腫に対する化学療法としてこれまでに施行されてきたものとしてはCYVADIC(cyclophosphamide,vincristine,doxorubicin,dacarbazine)療法があり,一部では高い奏功率が報告されている.しかし一方ではその治療効果に疑問を示す報告もある.しかもCYVADICは重篤な骨髄抑制や消化器症状を伴うことから高齢者への投与はかなりのリスクを伴う.近年血管肉腫に対してタキサン系の抗癌剤による治療が試みられ,その高い抗腫瘍効果が報告されている.そこで我々は皮膚転移により発見された乳房原発血管肉腫の多発性肺転移を来たした症例に対して,ドセタキセル(商品名:タキソテール®)によるweekly化学療法を試みた.その結果2コース施行後,肺転移巣は完全に消失し2003年2月現在,5カ月間完全寛解を維持している.自験例の詳細およびタキサン系抗癌剤について若干の考察を加え報告する.
  • 安西 三郎, 澁谷 博美, 寺師 浩人, 荒川 晶子, 阿南 隆, 松尾 由紀, 竹内 善治, 波多野 豊, 片桐 一元, 高安 進, 藤原 ...
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1553-1560
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    2000年,2001年大分県内において施行した皮膚癌検診の結果につき統計学的検討を行った.第一次産業従事者の殆どが農業で占められる直入町,漁業で占められる姫島村の2地域において検診を実施した.日光角化症の日本人人口10万人当りの有病率は,姫島村では1,274人(2000年),1,238人(2001年),直入町では312人(2000年),121人(2001年)であった.また基底細胞癌の有病率は姫島村では536人(2000年),48人(2001年),直入町では29人(2000年),30人(2001年)であり,日光角化症,基底細胞癌ともに姫島村が高値を示した.一般に農業と漁業はいずれも日光曝露機会が多い職業と考えられるが,今回の検診結果から両者における日光曝露量には差があることが推察され,このことが有病率の差として表れている可能性が考えられた.また,アンケート調査の結果,スキンタイプIのグループはスキンタイプII,IIIに比較し,高いAK有病率を示した.
  • 榎並 寿男
    原稿種別: 原著
    2003 年 113 巻 10 号 p. 1561-1564
    発行日: 2003/09/20
    公開日: 2014/12/13
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    Narrow-band UVBは,311 nmにピークを持つ狭い波長(311±2 nm)の紫外線光源で,乾癬をはじめとする難治性皮膚疾患の治療法にこれを使い,その療法は有効であることが知られてきた.今回我々は,その治療法のポイントはまずその患者のnarrow-band UVB療法の最少紅斑量(nMED)を正確に解析し,それを基本にして至適照射量を決め,nMEDを基準とした治療に進むことだと考えた.さらに,乾癬以外でnarrow-band UVB療法が有効とされる皮膚疾患患者のnMEDも測定し,比較検討した.乾癬の患者群のnMEDは,約90%が0.89 J/cm2以下であり,0.49 J/cm2をピークとしたほぼ正規分布を示し,平均値は0.68 J/cm2であった.他の皮膚疾患患者群のnMEDもほぼ同様の分布状態を示した.平均値は乾癬患者の方が若干高かったが,統計的有意差はなかった.その平均値は海外及び我が国の従来の報告例より若干高かった.
学会抄録
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