Narrow-band UVBは,311 nmにピークを持つ狭い波長(311±2 nm)の紫外線光源で,乾癬をはじめとする難治性皮膚疾患の治療法にこれを使い,その療法は有効であることが知られてきた.今回我々は,その治療法のポイントはまずその患者のnarrow-band UVB療法の最少紅斑量(nMED)を正確に解析し,それを基本にして至適照射量を決め,nMEDを基準とした治療に進むことだと考えた.さらに,乾癬以外でnarrow-band UVB療法が有効とされる皮膚疾患患者のnMEDも測定し,比較検討した.乾癬の患者群のnMEDは,約90%が0.89 J/cm
2以下であり,0.49 J/cm
2をピークとしたほぼ正規分布を示し,平均値は0.68 J/cm
2であった.他の皮膚疾患患者群のnMEDもほぼ同様の分布状態を示した.平均値は乾癬患者の方が若干高かったが,統計的有意差はなかった.その平均値は海外及び我が国の従来の報告例より若干高かった.
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