抄録
66歳,男性.1999年頃から体幹に?痒を伴う紅斑が出現し,次第に紅皮症状態を呈するようになった.2001年12月の皮膚病理組織所見では,convoluted cellの表皮内と真皮血管周囲性の浸潤を認めた.2002年1月には末梢血中にもconvoluted cellが出現し,発熱,全身の浮腫,表在リンパ節腫脹を伴って急激に紅皮症は増悪した.Southern blot法を用いた末梢血のTCR再構成の検索を行ったところ,Cβ1,Jβ1に再構成バンドが確認された.以上の臨床像,病理組織所見,血液検査所見よりSézary syndrome(SzS)と診断した.急速な臨床経過であり予後不良であると考えられたため,化学療法の施行について苦慮したが,患者の年齢を考慮して副作用の少ないnatural IFN-γを投与することとした.IFN-γによる治療開始後,末梢血液中のSézary細胞は著明に減少して紅皮症も改善した.発症後1年以上経過しているが,週に一回のIFN-γの筋注で皮膚症状は寛解状態を維持しており,末梢血中のSézary細胞も低値で推移している.また,経過中IFN-γによる副作用は認められなかった.予後不良とされるSzSをはじめとしたErythrodermic CTCLに対しても,IFN-γ療法は試みる価値のある治療法と考えられた.