日本皮膚科学会雑誌
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原著
水疱を伴った多型滲出性紅斑型薬疹
前島 英樹嶋村 祐美齊藤 和美原田 晴美衛藤 光
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2003 年 113 巻 9 号 p. 1399-1405

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抄録

膿疱性乾癬患者に生じた水疱を伴った多型滲出性紅斑型薬疹の1例を報告した.症例は66歳,女性.10年前に膿疱性乾癬を発症した.今回,2000年5月頃より上半身に膿疱を伴う環状の紅斑が出現.塩酸ミノサイクリンとエトレチナートの内服,ジクロフェナクナトリウムの投与を開始したところ,上半身の膿疱が消失した後に下肢に緊満性の水疱を伴う紅斑が多数出現した.組織では真皮浅層の浮腫と好酸球の浸潤を認め,免疫蛍光抗直接法では表皮および表皮真皮境界部は陰性であった.薬剤リンパ球幼弱化試験では塩酸ミノサイクリンとジクロフェクナトリウムで陽性の所見を示した.上記2薬剤のいずれかまたは,両者による多型滲出性紅斑型薬疹と考えた.膿疱性乾癬患者に水疱が出現することは報告されている.しかし,膿疱性乾癬患者に水疱を伴う薬疹をおこした症例は,現在に至るまで報告されていない.

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© 2003 日本皮膚科学会
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