日本皮膚科学会雑誌
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原著
ゲフィチニブ(イレッサ®)による皮膚症状
古林 郁乃勝見 祥子浅田 秀夫宮川 幸子福岡 和也木村 弘
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ジャーナル 認証あり

2004 年 114 巻 6 号 p. 1107-1113

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抄録

ゲフィチニブ(イレッサ®)を内服中に生じた皮膚症状について報告する.ゲフィチニブ250mg/日内服中に皮膚症状を生じた患者5例についてゲフィチニブを隔日内服に減量したところ,皮膚症状は消失もしくは軽快し,用量依存性が認められた.また,痤瘡様皮疹,爪郭炎もしくは浸潤性紅斑を生じた3例の皮膚生検を施行した.臨床症状が異なるにもかかわらず組織所見では全例とも表皮もしくは毛包壁のbasal layerおよびsuprabasal layerに共通して障害が見られ,表皮ケラチノサイトにおけるepidermal growth factor receptorを介する情報伝達のゲフィチニブによる阻害作用が皮膚症状の発症に関与している可能性が示唆された.

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© 2004 日本皮膚科学会
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