日本皮膚科学会雑誌
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原著
口腔粘膜慢性GVHDに対する口腔内PUVA療法
檜垣 祐子矢田 佳子安藤 菜緒川島 眞浜口 裕之増田 道彦溝口 秀昭
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2004 年 114 巻 6 号 p. 1121-1130

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抄録

6例の口腔粘膜慢性GVHDによるびらん性扁平苔癬様の病変に対し,口腔内照射用UVAランプを用いてPUVA療法を試みた.6例の基礎疾患は骨髄異形成症候群,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,NK細胞白血病で,いずれも造血幹細胞移植後,口腔粘膜を含む慢性GVHDを発症し,口腔粘膜の疼痛が強い,食餌摂取が困難などの問題があった.PUVA療法はオクソラレン®軟膏塗布直後に,ライトガイドを装着したELC404型スポットUVランプを口腔内に挿入,粘膜病変に向けてスポット状に照射した.治療頻度は週1~3回とした.治療開始後の経過は全例で1~8回の照射後に疼痛が軽減,2~9回の照射後にびらんの上皮化傾向が認められた.8~29回の照射後にびらんはほぼ上皮化,疼痛がかなり軽快し,治療を終了した.その後2例で再発が見られ,追加照射を行った.治療経過中非照射部位の口腔粘膜病変にも改善が認められた.副作用は一過性の光毒性反応のみであった.本治療はびらん性の扁平苔癬様病変で,疼痛が強く,食餌摂取が困難な場合,特に慢性GVHDの治療上,全身的治療またはその強化の適応がない,または口腔内病変のために免疫抑制薬の減量が困難な場合に有用な治療法と思われる.

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© 2004 日本皮膚科学会
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