日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第19回 薬疹
最近の傾向
福田 英三福田 英嗣
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2006 年 116 巻 11 号 p. 1563-1568

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抄録
薬疹の実態を把握することは不可能であるが,薬疹の報告例の統計から,おおよそその傾向を推測することは可能である.そこで本項では筆者が編集する薬疹のデータブック「薬疹情報」第11版1)に2005年の症例を追加し,その統計を基に2000年以降の薬疹について述べる.1999年以前については,最新皮膚科学大系第5巻「薬疹・中毒疹」2)を参照.特に目立った変動は,病型ではdrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)の増加と光線過敏症型の減少.原因薬剤では抗てんかん剤(カルバマゼピン)と分子標的治療薬(ゲフィチニブ)の増加,ピリドンカルボン酸系製剤の減少である.若年者(15歳未満)と高齢者(65歳以上)については,若年者の病型では固定薬疹,原因薬剤では中枢神経系用薬,高齢者の病型ではDIHS,原因薬剤では腫瘍用薬が多い.
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© 2006 日本皮膚科学会
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