日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第21回 人・動物・虫・原虫
リケッチア感染症
高垣 謙二
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2006 年 116 巻 14 号 p. 2247-2253

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抄録

「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)には,リケッチア感染症としてつつが虫病,日本紅斑熱,発しんチフスが四類感染症全数把握の疾患として分類されている.つつが虫病と日本紅斑熱はダニに吸着された後,一定の潜伏期を経て,突然の発熱,悪寒戦慄,頭痛などで発症する.発熱後数日して無症候性紅斑を生じるが,つつが虫病の発疹では躯幹に多い傾向があり,日本紅斑熱では四肢末梢に多く出血斑を伴いやすい.発しんチフスはわが国では50年近く報告はないが,コロモジラミの糞を介して伝播する.一定の潜伏期の後,悪寒戦慄をともなう発熱,頭痛,筋肉痛で発症する.発熱後1週間以内に出現する紅斑は躯幹を中心に拡大するが,掌蹠,顔面にはまれである.発疹は当初紅斑であるが,出血斑となる.いずれの疾患も確定診断が迅速・手軽にできるとはいえない状況であるため,臨床医は,発疹を有する熱性疾患の一つにリケッチア感染症もあるということを念頭において診療をすることが大切である.

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