日本皮膚科学会雑誌
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原著
Primary dermal melanomaと考えられた2例
岩田 浩明山崎 直也山本 明史高橋 聡西澤 綾
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2006 年 116 巻 7 号 p. 1069-1073

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抄録
症例1,25歳,女性.1999年ころ左膝に皮下腫瘤が出現し,粉瘤の疑いで切除を受けた.症例2,56歳,女性.2001年ころ左側頭部に皮下腫瘤が出現し,粉瘤の疑いで切除を受けた.いずれも病理結果で悪性黒色腫の皮膚または皮下転移が疑われた.しかし精査にて明らかな原発巣は認めず,原発不明悪性黒色腫の皮膚転移と診断された.局所切除および症例2ではリンパ節生検および郭清を施行し,術後はそれぞれインターフェロン-βの局所注射,DAVFeron療法を施行した.術後,いずれも再発転移なく経過している.近年,悪性黒色腫の単発性の皮膚あるいは皮下転移の症例において非常に予後良好な症例があることが指摘されており,Bowenらはこれらの症例を真皮あるいは皮下原発の悪性黒色腫と考えprimary dermal melanomaという概念を提唱している.
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© 2006 日本皮膚科学会
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