2007 年 117 巻 12 号 p. 1969-1976
患者自身が乾癬皮疹の面積および重症度を評価するSelf-PASI(Self-administered Psoriasis Area and Severity Index)の妥当性を,日本人乾癬患者 200 例を対象に検討するとともに,医師によるPASIとBSA (Body Surface Area),乾癬特異的QOL尺度であるPDI(Psoriasis Disability Index),包括的健康関連尺度であるSF-36 との関連性を検討した.結果として,Self-PASIとPASIの相関係数は 0.65,Self-BSA(Self-administered BSA)と BSA の相関係数は 0.69 といずれも高くかつ有意であった.Self-BSA と BSA の関連性は,体幹,上肢,下肢では高く,頭部では低かった.また,PDIはPASIよりもSelf-PASI,BSAよりもSelf-BSAとの関連性が高かったが,SF-36とSelf-PASI,Self-BSA との関連性は高くなかった.以上の検討から,Self-PASI は妥当性が高く,乾癬診療において役立つ指標になりうることが示された.