2008 年 118 巻 7 号 p. 1213-1218
有棘細胞癌(SCC)の診療上,以下のような疑問が立ち上がって来る.すなわち,「原発巣は病巣辺縁から何mm離して切除すべきか」「Mohs手術は有益か」「予防的リンパ節郭清は有益か」「センチネルリンパ節生検は有益か」「遠隔転移巣を外科的に切除することは有益か」「根治的放射線療法は有益か」「術後放射線療法は有益か」「化学療法は有益か」「術前画像検査は有益か」「術後,定期的に画像検査を行うことは有益か」「紫外線防御を行うと予防上有益か」などである.これらの診療上の疑問を解決するために,各国のガイドラインやその根拠となる文献を参照しながら,SCCの治療戦略を考えてみた.