日本皮膚科学会雑誌
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118 巻 , 7 号
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皮膚科セミナリウム 第38回 皮膚悪性腫瘍の診療の考え方
  • 梅林 芳弘, 真鍋 求, 宇原 久, 鹿間 直人, 山崎 直也
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第38回 皮膚悪性腫瘍の診療の考え方
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1213-1218
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    有棘細胞癌(SCC)の診療上,以下のような疑問が立ち上がって来る.すなわち,「原発巣は病巣辺縁から何mm離して切除すべきか」「Mohs手術は有益か」「予防的リンパ節郭清は有益か」「センチネルリンパ節生検は有益か」「遠隔転移巣を外科的に切除することは有益か」「根治的放射線療法は有益か」「術後放射線療法は有益か」「化学療法は有益か」「術前画像検査は有益か」「術後,定期的に画像検査を行うことは有益か」「紫外線防御を行うと予防上有益か」などである.これらの診療上の疑問を解決するために,各国のガイドラインやその根拠となる文献を参照しながら,SCCの治療戦略を考えてみた.
  • 竹之内 辰也
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第38回 皮膚悪性腫瘍の診療の考え方
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1219-1225
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞癌(BCC)は顔面に好発し,高い局所侵襲性を有する.その臨床診断においては近年ダーモスコピーが導入され,診断精度の向上に寄与している.治療にあたってはまず再発リスクの評価と,それに基づく症例のリスク分類が必要となる.BCCの治療の第一選択は手術療法であるが,放射線療法をはじめとする非手術的治療についても数多くのエビデンスが示されている.2007年には,evidence-based medicineのプロセスに則った本邦独自のBCC診療ガイドラインが作成,公開されている.
  • 清原 隆宏
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第38回 皮膚悪性腫瘍の診療の考え方
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1227-1232
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    乳房外Paget病は症例数が少ないため,エビデンスレベルの高い報告がほとんどない.このため,国際的な診療ガイドラインも存在せず,施設間での治療法に隔たりがある.しかしながら,昨今の流れから,エビデンスに基づく診療は重要とされ,本邦でも診療ガイドラインが作成された.このガイドラインに沿う形で,乳房外Paget病の診療の考え方について記載した.術前検査においては,パジェット現象との鑑別に重点を置き,サイトケラチン(CK)20とGCDFP15の免疫組織染色を施行すべきである.清拭・剃毛・適切な外用などの術前処置を施行することにより,多くの症例では病変の境界が明瞭となり,1cmの切除マージンで十分である.術前処置にもかかわらず境界不明瞭な症例に関しては,やや大きめの切除マージンを設定すべきであるが,mapping biopsyが有用である.浸潤癌に対してはセンチネルリンパ節生検を幅広く活用すべきである.現状では推奨できる化学療法や放射線療法はない.
原著
  • 菅 慶子, 佐藤 孝, 櫻井 英一, 赤坂 季代美, 石田 陽治, 赤坂 俊英, 増田 友之
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1233-1239
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    急性骨髄性白血病での皮膚特異疹を生じた3例について検討した.症例1は73歳,男性で,顔面,体幹,肩,ソケイ部に爪甲大から米粒大までの充実性紅色小結節,浸潤性紅斑を多数認めた.症例2は74歳,女性で,躯幹に痒みを伴う拇指頭大までの類円形で軽い浸潤を伴う褐紅色斑を多数認めた.症例3は27歳,女性で,急性骨髄性白血病の治療後,骨髄は寛解状態を維持していたが,経過観察中に頭頂部の皮膚腫瘤を認めた.皮膚生検を行ったところ,いずれの症例でも浸潤する腫瘍細胞はmyeloperoxidase,CD68陽性であった.症例1,2では,骨髄検査により急性骨髄性白血病の存在が明らかになった.症例3は白血病の髄外性の再発と考えられた.症例1,2では化学療法により皮疹の消失を認め,症例3では放射線照射により腫瘤は縮小した.皮膚特異疹の出現は白血病発見の契機となったり,髄外性の再発を診断する上で重要であった.
  • 渡会 晃, 増澤 幹男, 長橋 和矢, 山本 都美, 天羽 康之, 白井 京美, 齊藤 典充, 坪井 廣美, 黒岩 裕美, 勝岡 憲生
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1241-1245
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    前額部に発症した頭部血管肉腫の74歳男性例に対して,小範囲外科的切除,放射線療法に加えてタキソイド系抗腫瘍剤の化学療法を施行した.診断より約2年後,左胸部に血気胸をきたしたためPaclitaxelの胸腔内投与を施行した.その後Paclitaxel点滴静注を3カ月間継続し,現在10カ月以上経過しているが,血気胸の再発は認めていない.血管肉腫に伴う血気胸は胸膜癒着術のみでは再発予防にならず,予後は極めて悪い.実施したPaclitaxelの胸腔内投与は,腫瘍に対しては高濃度に作用するが,血中移行性が低いために副作用が軽度であることから,血管肉腫に伴う血気胸に対し積極的に選択すべき有効な治療法であると考える.
  • 安齋 眞一, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1247-1252
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    2001年5月から2006年8月までの間に,札幌皮膚病理研究所で脂腺癌と病理診断した61例について,臨床的検討を行った.男性27例,女性34例と女性に多く,切除時年齢は,34から95歳で平均74.0±12.1歳であった.発生部位は,不明の1例を除き,眼瞼が21例(35.2%),眼瞼以外の頭頸部25例(38.9%),頭頸部以外14例(24.1%)であった.脂腺母斑上に生じた例が2例あった.眼瞼発生例は,男性8例,女性13例,切除時年齢は,平均76.1±11.0歳,眼瞼以外の頭頸部発生例は,男性9例,女性16例,切除時年齢は平均75.3±11.0歳,頭頸部以外の発生例は男10例,女4例,切除時年齢は平均68.9±14.8歳であった.女性は,男性に比べて,有意に眼瞼を含む頭頸部に発生が多かった.臨床診断では,眼瞼発生例で脂腺癌を含む悪性腫瘍と診断されている例が61.9%であったのに対し,眼瞼外発生例では,35.9%と少なく,良性腫瘍と臨床診断されていた例が46.2%と比較的多かった.検体を提出した診療科は,眼瞼発生例では,皮膚科2例(9.5%),形成外科6例(28.6%),眼科9例(42.9%),その他の科は12例(19.7%),不明5例(8.2%)であり,眼瞼発生例では,皮膚科2例(9.5%),形成外科6例(28.6%),眼科9例(42.9%),その他の科は2例(9.5%),不明2例(9.5%)であり,眼瞼外発生例は,皮膚科21例(53.8%),形成外科6例(15.4%),眼科0例,その他の科10例(25.6%),不明2例(5.1%)であった.同時期に札幌皮膚病理研究所で病理診断した症例数を比較すると,脂腺癌は,基底細胞癌の約1/30,進行期有棘細胞癌の約1/15,進行期悪性黒色腫,あるいは乳房外Paget病の約1/3である一方,汗孔腫癌やアポクリン腺癌などの各種悪性汗腺腫瘍よりは多かった.良性の脂腺腫瘍である脂腺腫は,脂腺癌の約3倍の症例数があり,脂腺腺腫は脂腺癌の半数以下の例数であった.
  • 岸本 正実, 谷岡 未樹, 荒川 明子, 松村 由美, 中村 元信, 是枝 哲, 松吉 徳久, 高橋 健造, 桒原 晶子, 小川 蓉子, 木 ...
    原稿種別: 原著
    2008 年 118 巻 7 号 p. 1253-1259
    発行日: 2008/06/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    京都大学病院皮膚科においてステロイド内服治療を受けている患者を対象として,DXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry)法とインピーダンス法を併用して骨密度および体組成を評価した.骨密度については,ステロイド内服患者では,同年齢の平均値に比べ,橈骨骨密度が有意に低下していた.また,腰椎骨密度はステロイドの1日平均投与量と負の相関を示した.一方,体組成はステロイド投与との明瞭な関連は示されなかった.しかし,一部の経時的変化を追跡しえた例では,筋肉量減少・脂肪量増加は明らかであった.骨より代謝回転の速い筋肉・脂肪組織では,ステロイド投与量の増減により,迅速に体組成が変化しているものの,横断調査ではその変化がとらえにくいものと考えた.
学会抄録
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