抄録
膠原病に伴う血管炎は様々な病態をとり,さらにもともとの膠原病の症状に隠れることがあり,膠原病の予後に十分に関連する因子であるにもかかわらず,見逃されやすい.診断・検査についての問題点と各々の膠原病(全身性紅斑性狼瘡(SLE),全身性強皮症(SSc),多発性筋炎・皮膚筋炎(PM/DM),関節リウマチ(RA),シェーグレン症候群(SjS))について血管炎の合併について概説する.さらに,膠原病においては血管炎以外の原因による血行障害を伴うことが多い.各々の膠原病に付随する血管炎・血行障害について主に皮膚におけるものについて説明する.