ステロイド外用により皮疹が修飾され診断が困難であったスポロトリコーシスの2例を経験した.症例1:48歳,男性.左上腕に壊疽性膿皮症様の潰瘍あり.症例2:51歳,女性.右腰部に帯状に並ぶ鱗痂皮を付す丘疹,小結節あり.2例ともスポロトリキン反応が陽性,病理組織学に遊離胞子を認め,培養により
Sporothrix schenckiiを分離した.ヨードカリの内服を行い治癒した.自験例は副腎皮質ステロイド薬の外用により皮疹が修飾されたと考えた.当科で経験したスポロトリコーシス38例についても検討した.
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