2009 年 119 巻 11 号 p. 2157-2163
厚生労働科学研究補助金 難治性疾患克服研究事業重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班において,“SJSおよびTENの治療指針2007”が作成され,若干の修正が加えられて2009年版となった.その特徴としては,これまでわが国で施設毎に異なっていた副腎皮質ステロイド薬の投与方法について,一定の見解を示したことがあげられる.本治療指針ではステロイド薬を第一選択とし,重症例では発症早期にパルス療法を含む高用量で開始することを推奨している.さらに,ステロイド薬の効果がみられないにもかかわらず漫然と同量のステロイド薬投与を継続することは避け,増量または免疫グロブリン製剤大量静注療法(IVIG療法)や血漿交換療法などの併用を考慮することを勧めている.それらの内容につき解説した.