日本皮膚科学会雑誌
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119 巻 , 11 号
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皮膚科セミナリウム 第54回 角化
  • 米田 耕造, 山田 七子, 窪田 泰夫
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第54回 角化
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2135-2140
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    皮膚症状として魚鱗癬を呈する疾患のうち皮膚以外の臓器にも異常を生じる疾患がある.これらの疾患のうち特徴ある症候を備えているものは,一つの症候群とみなし報告されてきた.これらは,まとめて,症候群に伴う魚鱗癬(あるいは魚鱗癬症候群)と総称される.発生頻度はいずれも稀である.本稿では代表的な症候群に伴う魚鱗癬について解説する.
  • 山西 清文
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第54回 角化
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2141-2149
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    角化(keratinization)は物理的バリアとして機能する角層形成に至る生物学的プロセスであるが,角化過程で生成される種々の機能物質は外界からの病原体の侵入を阻止する機能を有し,水際で生体を防衛する役割を担っている.これらの生体物質は角層の持つ物理的バリア機能を補完し,より機能的かつ効率的な生体防御システムを構築している.角層機能の異常はバリア障害ばかりでなく,自然免疫系の活性化を介して表皮の炎症反応の誘発にも関わっている.
  • 小宮根 真弓
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第54回 角化
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2151-2156
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    表皮細胞の角化はすなわち表皮細胞の分化である.表皮は角化することにより,適切なバリアー機能を発揮し,外界の刺激から人体を守っている.表皮細胞の分化にあたり,多数の分子が順序良く精密に制御されながら発現している.これらの分子に遺伝的に異常が生じることにより,それぞれ特徴的な臨床症状を発現する遺伝性皮膚疾患が発症する.表皮の角化に影響を与えるもう一つの因子として炎症がある.炎症により発現する炎症性サイトカインによって,表皮の角化・分化に関与する遺伝子の発現が影響を受け,その結果角化の異常が生じる.表皮に生じた異常により,表皮のバリアー機能の破綻をきたしたり,樹状細胞やリンパ球に影響を与えることにより,全身の免疫機能にも影響することが最近の報告で明らかになっている.
総説
原著
  • 岩澤 真理, 寄藤 和彦, 戸井田 敏彦
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2165-2171
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    コンドロイチン硫酸・鉄コロイド注射液(以下ブルタール®)は鉄欠乏性貧血の治療に使用される鉄コロイド製剤である.我々は成田赤十字病院皮膚科外来にて,平成18年3月から5月にかけて,ブルタール®による薬疹4例を経験した.従来原料として使用していたウシ由来のコンドロイチン硫酸ナトリウムを,平成17年11月サメ由来品に変更後より副作用報告が急増した.平成18年7月よりブルタール®の自主回収が実施され,被害の増加は防がれたが,原因は解明されていない.今回我々は,ブルタール®の材料に使われたコンドロイチン硫酸を分析し,その結果,ウシ由来のコンドロイチン硫酸は4位に硫酸基が結合したN-アセチルガラクトサミン(CSA)が主たる成分であり,サメ由来のコンドロイチン硫酸は6位の硫酸基が結合したN-アセチルガラクトサミン(CSC)が主たる成分であった.ヒトのコンドロイチン硫酸はCSAが主成分であることが知られており,硫酸化度,分子量などの構造の変化により薬疹を生じた可能性を推測した.
  • 横川 真紀, 高田 智也, 永野 弓枝, 池田 光徳, 佐野 栄紀
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2173-2180
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    エキシマランプはキセノンクロライド光源を用いたUVB照射装置で,308±2 nmの単波長を有する.我々は各種皮膚疾患に対し,エキシマランプによるターゲット型光線療法を行い,その効果を検討した.尋常性乾癬の紅斑局面に対しては数回の治療で7例中7例(100%)が軽快傾向を示し,7例中3例(42.9%)で治療部位の紅斑は消退した.しかし,乾癬の爪病変3例には6カ月間の継続治療にもかかわらず効果は得られなかった.尋常性白斑は11例中8例(72.7%)において種々の程度に色素再生がみられた.尋常性乾癬,尋常性白斑症例の中には,NB-UVB療法で効果が乏しかったがエキシマランプに反応した症例もあり,これら疾患に対する本療法の優位性を確認した.興味深いことに,強皮症の1例で皮膚硬化が軽減し,頸骨前粘液水腫の1例では著明に隆起性病変が扁平化した.これは,元来光線療法の適応が低いと考えられていた真皮を主座とする疾患においても本療法が有用である可能性を示唆している.有害事象としては,照射部位の紅斑,水疱形成,色素沈着が高頻度にみられた.有害事象のために尋常性白斑11例中2例(18.2%)で治療を中止した.病変部位に限定して照射するターゲット型療法は,少数の皮疹,照射範囲が狭い病変,あるいは他の治療に抵抗性で残存している病変などへの適応が高いと考えた.
  • 陳 貴史, 百束 比古
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2181-2186
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    過去20年間にケロイド・高度肥厚性瘢痕の診断のもと,切除術および術後電子線照射療法を行い,術後8カ月以上経過観察しえた375部位について再発と発症部位,発症原因の関連を検討した.再発率は29.0%,発症部位は肩や胸部が多く,発症原因はBCG接種,帯状疱疹,痤瘡が多かった.統計学的検討では発症部位よりも発症原因の方が再発に強い影響を与えるという結果を得た.発症部位だけでなく発症原因についても充分考慮し,慢性的な炎症反応を制御することが発症率,再発率を低下させるために必要であると考えた.さらに,再発と手術方法,術後経過の関連を検討したところ,3点縫合,創縁の接着不良をきたした症例で再発率が高かった.その原因として,①充分な減張を行うこと,②3点縫合を可能な限り避けること,③真皮縫合を浅めにかけないことが重要であると考えた.
  • 岡崎 秀規, 藤山 幹子, 村上 信司, 石川 真奈美, 佐藤 直樹, 宮脇 さおり, 白石 研, 橋本 公二
    原稿種別: 原著
    2009 年 119 巻 11 号 p. 2187-2193
    発行日: 2009/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    2001年から2007年の間に当科で経験したDIHS症例のうち,DIHSの顔面の特徴的皮疹を示し,HHV-6の再活性化の時期を特定することのできた6例について,両者の時間的関係を検討した.6例全例で顔面の特徴的皮疹の出現がHHV-6再活性化に先行していることが確認された.DIHSの顔面の特徴的皮疹は,DIHSの診断の手助けになるとともに,HHV-6の再活性化と,それによる症状の再燃を予測する重要な手がかりになると考えられた.
学会抄録
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