日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第49回 偽癌
ケラトアカントーマ
長野 徹
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2009 年 119 巻 6 号 p. 1049-1053

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抄録

ケラトアカントーマは日常臨床の現場において時に遭遇する腫瘍性疾患である.本疾患は,①急速に増大したのち中央に角栓を入れるドーム状の結節となり,②組織像は有棘細胞癌(SCC)に類似しているが転移をすることは稀で,③数カ月の経過で自然消褪するという特徴的な形態,経過を示す毛包由来の皮膚良性腫瘍である,とされている.ただしSCCの1亜型とする考えもあり結論は出ていない.本稿ではケラトアカントーマの臨床,病理学的な特徴について述べたのち,SCCとの鑑別,本疾患の取り扱いについて概説する.なお,既に本セミナリウム24回偽癌 1.ケラトアカントーマ(竹中秀也先生ご執筆)の項1)があり,また最新皮膚科学大系 表皮系腫瘍 ケラトアカントーマ(宇原 久先生ご執筆)の項2)があり参照されたい.

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