2010 年 120 巻 11 号 p. 2175-2180
乾癬とアトピー性皮膚炎は,最近その免疫学的病態の理解に大きな変化をみせた.乾癬は,真皮樹状細胞がオートクライン的にTNF-αで活性化し,IL-23を産生し,それがTh17細胞を維持し,Th17細胞の産生するIL-17とIL-22が角化細胞増殖をもたらす.この知見は生物学的製剤の優れた有効性によって検証された.アトピー性皮膚炎(AD)は,フィラグリン遺伝子変異の発見以来,外因性ADの機序がより明確になり,Th2細胞を中心とする免疫異常の上流が確認された.一方でこの発見は内因性ADを見直す結果となり,またIL-17産生細胞の帰属に問題を投げかけている.