日本皮膚科学会雑誌
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120 巻 , 11 号
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皮膚科セミナリウム 第66回 皮膚と免疫
  • 松江 弘之
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第66回 皮膚と免疫
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2171-2174
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    前回,本誌118巻第9号(平成20年)の皮膚科セミナリウム「皮膚と免疫」において,皮膚樹状細胞について概説したが,今回は肥満細胞と好塩基球を取り上げる.両細胞は従来からアレルギー炎症を引き起こすエフェクター細胞と見なされてきたが,最近では,ともに抗原特異的獲得免疫反応に関与していることが動物実験で明らかにされた.これまでプロフェッショナルな抗原提示細胞は樹状細胞であると考えられてきたが,特に,好塩基球にも抗原提示能があることが最近相次いで報告されている.本稿では肥満細胞と好塩基球について概説し,最近報告された新しい機能についても紹介する.
  • 戸倉 新樹
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第66回 皮膚と免疫
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2175-2180
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    乾癬とアトピー性皮膚炎は,最近その免疫学的病態の理解に大きな変化をみせた.乾癬は,真皮樹状細胞がオートクライン的にTNF-αで活性化し,IL-23を産生し,それがTh17細胞を維持し,Th17細胞の産生するIL-17とIL-22が角化細胞増殖をもたらす.この知見は生物学的製剤の優れた有効性によって検証された.アトピー性皮膚炎(AD)は,フィラグリン遺伝子変異の発見以来,外因性ADの機序がより明確になり,Th2細胞を中心とする免疫異常の上流が確認された.一方でこの発見は内因性ADを見直す結果となり,またIL-17産生細胞の帰属に問題を投げかけている.
  • 藤本 学
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第66回 皮膚と免疫
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2181-2185
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
原著
  • 盛山 吉弘
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2187-2194
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    近年,創傷管理の基本理論の1つとしてmoist wound healingというキーワードがあげられている.そして,本邦では,その理論をもとに,食品用のラップを用いて簡便に湿潤環境を作り出す,いわゆる“ラップ療法”が広く行われるようになっている.“ラップ療法”は,医療材料でないものを使用するという問題点は残るものの,創傷管理の正しい知識をもった医療従事者が施行すれば,安価で有用な治療法の一つであろう.しかし,どんな傷も簡単に治る万能な治療法と誤解し,適応を考えずに“ラップ療法”を施行している医療従事者も多い.“ラップ療法”の恩恵を受ける患者がいる裏側に,被害者が生まれている事実があることも忘れてはならない.本稿では,不適切な湿潤療法を施行され,重篤な感染症が続発した象徴的な5症例を供覧し,安易な湿潤療法の施行に警鐘を鳴らしたい.
  • 福田 英嗣, 鈴木 琢, 佐藤 八千代, 猿谷 佳奈子, 向井 秀樹
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2195-2201
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    重症なアトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis:AD)患者の入院治療は,短期間に皮膚症状を改善する有用な治療法である.しかし,入院中に使用される比較的多くの量のステロイド外用薬が生体に及ぼす影響については明らかではない.今回われわれはADの入院患者において,入院時(検査は入院翌日)および退院時の血中コルチゾール値を測定し,その推移について検討を行った.対象は,当院皮膚科に2007年5月から2008年8月までに入院加療した重症度の高いAD患者である.11歳から43歳(平均値±SD:27.4±7.5歳)の20名(男性12名,女性8名)に,入院時および退院時の朝7時から8時の間に血中コルチゾール値を測定した.結果は入院時の血中コルチゾール値は3.7±5.7 μg/dl(平均値±SD)と低下を示していたが,退院時は11.6±4.4 μg/dlと上昇した.この推移には統計上有意差を認めた(p<0.05).また,入院期間は13.3±4.7日(平均値±SD)であり,血中コルチゾール値が基準値である4.0 μg/dlに復するのに必要な入院期間は平均4.8日(推定)であった.入院中に使用したステロイド外用量はII群が8.6±6.3 g/日(平均値±SD),III群が4.8±5.8 g/日であり,ステロイド外用薬の使用量と血中コルチゾール値の変化量には差がなかった.今回の検討で, 入院を要する重症AD患者では,入院時には副腎皮質機能が抑制されているケースが多く,入院治療を行うことにより皮膚症状の改善が認められ,さらに入院時に基準値より低かった16症例のうち1例を除き退院時には基準値以上になり副腎皮質機能が正常に回復することが示された.重症AD患者においての入院療法は,短期間で効率的に皮膚状態を改善させるのみでなく,抑制状態にある内分泌系機能も同時に回復させることが示された.
  • 飯島 茂子, 渡邉 真也, 本山 景一, 後藤 昌英, 泉 維昌, 峯岸 克行
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2203-2211
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    生後7カ月で診断した1型高IgE症候群の1例を報告した.自験例の発疹は生後3週から発症し,二次感染を伴う脂漏性湿疹様の湿潤性局面,稗粒腫様または面皰様の黄白色小丘疹,ヘルペス様の痂皮性小丘疹または小膿疱,粉瘤様皮下結節,炎症所見に乏しい皮下膿瘍(冷膿瘍)などであり,頻回の皮膚培養よりメチシリン抵抗性黄色ブドウ球菌が検出された.これらの皮疹は感染症治療後に毛包一致性の充実性丘疹となった.生後3カ月での非特異的IgEは2,120 IU/mlで,9カ月には16,000 IU/ml以上に達した.遺伝子検索にてサイトカインシグナル伝達・転写因子であるSignal Transducer and Activator of Transcription 3(STAT3)のDNA結合ドメインにR382Wの1アミノ酸置換を認めた.母親にも同一の変異を認め,常染色体優性遺伝を示した.新生児からの難治性・易感染性の湿疹様病変をみた場合には,本症候群を鑑別する必要があると考えた.
  • 古賀 文二, 古賀 佳織, 今福 信一, 鍋島 一樹, 中山 樹一郎
    原稿種別: 原著
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2213-2217
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
    ジャーナル 認証あり
    転移性皮膚腫瘍の統計は本邦でも報告があるが,剖検例や皮膚科単科で集計したものがほとんどである.今回,我々は当院の全診療科を対象に,内臓悪性腫瘍から皮膚に転移した132例について集計を行った.皮膚転移が診断された時点での患者の平均年齢は62.4歳であった.原発巣は乳癌(23.4%),肺癌(12.8%),大腸癌(10.6%)に多くみられた.発症部位は胸部が最も頻度が高かった(31.2%).原発巣不明の皮膚転移7例(5.3%)中6例(85.7%)は頭頸部に発生しており,多くは肺癌が原発巣として疑われた.臨床像では,結節・腫瘤像を示すものが多かったが(51.8%),びらん,潰瘍を呈するものも12.1%にみられた.病理組織学的には,腺癌が最も多く(66.7%),次に扁平上皮癌(22.0%)が続いた.未分化癌も8例みられた.また原発巣が病理組織学的に確定診断されてから皮膚転移が出現するまでの期間は,平均29.8カ月であった.皮膚転移発見後の平均生存期間は14.6カ月であった.この中で乳癌は,29.9カ月と他の癌に比べ生存期間が長い傾向がみられた.皮膚転移出現時に他臓器に転移がある群では,皮膚転移のみの群(23.7カ月)より平均生存期間が短かった(8.5カ月).近年,集学的な治療の進歩により,悪性腫瘍は生存率の向上がみられる.それに伴い,様々な内臓悪性腫瘍の皮膚転移に遭遇する機会も増えると予測される.皮膚科医にとって,転移性皮膚腫瘍の診断と予後をできるだけ正確に理解することは重要と考えた.
速報的小論文
  • 石川 博康, 熊野 高行, 角田 孝彦, 森山 達哉
    原稿種別: 速報的小論文
    2010 年 120 巻 11 号 p. 2219-2222
    発行日: 2010/10/20
    公開日: 2014/11/28
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    【症例1】蕁麻疹の既往がある53歳,男性.加熱調理したゴボウの摂食後にアナフィラキシーショックを呈した.Prick-prick testでは生ゴボウ,加熱ゴボウ共に陽性を示した.【症例2】モモとメロンの口腔アレルギー症候群(OAS)の既往がある31歳,女性.加熱調理したゴボウの摂食後に全身の蕁麻疹と消化器症状を呈した.Prick-prick testでは生ゴボウは陰性,加熱ゴボウが陽性を示した.【解析】2人の血清を用いたイムノブロットの結果,症例1では35 kDa付近に,症例2では17 kDa付近にバンドを認め,それぞれ原因抗原と推測された.35 kDaのタンパク質はアミノ酸配列解析によりperoxidase(POD)であることが,17 kDaのタンパク質は[Cu-Zn]superoxide dismutase(SOD)であることが判明した.
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