2011 年 121 巻 11 号 p. 2265-2271
2002年10月から2009年12月までに山梨大学皮膚科においてRI・色素法併用によるセンチネルリンパ節生検を施行した皮膚悪性腫瘍135例(悪性黒色腫54例,有棘細胞癌48例,乳房外Paget病14例,付属器腫瘍19例)を検討した.全例中129例にセンチネルリンパ節が同定され,同定率は95.6%であった.病理組織学的検討による各腫瘍の転移陽性率は,悪性黒色腫35.2%,有棘細胞癌2.3%,乳房外Paget病25.0%,付属器腫瘍21.1%であった.悪性黒色腫41例ではPCR法による特異的遺伝子の検出も施行し,病理学的/遺伝子学的検討においていずれかが陽性であった症例は58.5%であった.悪性黒色腫におけるT分類別の病理学的転移陽性率は,pTis:0%,pT1:0%,pT2:10.0%,pT3:53.3%,pT4:62.5%であった.原発巣のtumor thicknessとSN転移率に相関が認められた.