日本皮膚科学会雑誌
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原著
日本人第1例目のH症候群
小田 富美子佐山 浩二藤山 幹子橋本 公二
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ジャーナル 認証あり

2011 年 121 巻 14 号 p. 3349-3353

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抄録

39歳女性.両親は近親婚.先天性神経性難聴があり,12歳時より両大腿内側,恥丘部に境界明瞭な褐色斑,皮下硬結が生じ,軽快増悪を繰り返していた.14歳時に当科を初診した.組織学的には,脂肪織に著明な膠原線維の増生,組織球と形質細胞が主体の細胞浸潤が見られた.17歳時には多毛も認め,morphea profundaとして報告した.34歳時には,心肥大,心室性期外収縮,心内外膜炎,縦隔炎を認めた.H症候群は2008年に初めて記載された常染色体劣遺伝性疾患で,ヌクレオシド輸送体であるhENT3をコードするSLC29A3の変異が原因で起こる.臨床的特徴として,色素沈着,多毛,肝脾腫,心奇形,難聴,性腺機能低下,低身長,高血糖,外反母趾などを認める.本症例でSLC29A3の変異を検討したところexon4で552C>Gミスセンス変異があり184番目のセリンがアルギニンに変異しておりH症候群と診断した.日本人第1例目のH症候群と考えられる.

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© 2011 日本皮膚科学会
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