日本皮膚科学会雑誌
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原著
群馬大学皮膚科における膠原病とサルコイドーシス合併例の検討
井上 千鶴曽我部 陽子永井 弥生石川 治
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2012 年 122 巻 3 号 p. 607-611

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抄録

1996年から2010年の15年間に群馬大学皮膚科を受診した皮膚サルコイドを含めたサルコイドーシス患者116例中の膠原病合併例について臨床的に検討した.膠原病合併例は10例,サルコイドーシス患者の8.6%で,年齢は29歳から70歳,全例女性であった.合併した膠原病は,シェーグレン症候群4例,皮膚筋炎とシェーグレン症候群1例,全身性強皮症と多発性筋炎1例,SLE 2例,多発性筋炎1例,皮膚筋炎1例であった.いずれかの疾患の診断が先行したものは4例,同時期に診断したものは6例であった.いずれかの疾患が先行した症例における合併疾患診断までの期間は6年~30年,平均は14年と経過の長いものが多かった.サルコイドーシスと膠原病の合併例の報告は散見され,サルコイドーシスにおいては自己抗体の出現頻度が高いことも指摘されている.サルコイドーシスでは膠原病などの自己免疫性疾患の合併も念頭に経過をみることが必要と考えた.

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