日本皮膚科学会雑誌
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新・皮膚科セミナリウム 研究を目指す若手皮膚科医のために
研究は臨床のサブスペシャリティの確立・スキルアップのための近道かも知れない
大山 学
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2013 年 123 巻 8 号 p. 1485-1487

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抄録

初期研修の必修化,臨床現場における業務の多忙化などにより若手皮膚科医を取りまく環境は年々厳しさを増しているように見える.臨床に忙殺される日々のなかで研究に関わることの意味を見いだすのは難しいようにも思える.しかし,研究と臨床は別のものではない.臨床医が研究することの学術的な意義は大きく,また,研究に携わることで見えてくる,身につくサブスペシャリティやスキルはある.私は毛包幹細胞の研究から脱毛症の病態に興味をもち自分のサブスペシャリティとした.また研究で直面した問題を,脱毛症の病理診断で用いられるテクニックを活用することで解決し,今ではそれを診療に活かしている.基礎医学的な実験だけが研究なのではない.臨床の中に新しいことを見出そうとする行為そのものも研究である.研究マインドをもつことは,自分の臨床能力をさらに高めるための有用な手立てといえるのではないだろうか.

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