日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
新・皮膚科セミナリウム ケラチノサイトとバリア機能
3.皮膚バリア機能異常と炎症のクロストークの場としてのケラチノサイト
波多野 豊
著者情報
ジャーナル 認証あり

2014 年 124 巻 3 号 p. 321-330

詳細
抄録

皮膚バリア機能は,透過性バリア,抗菌バリア,免疫学的バリアからなり,相互に関係し合う.皮膚バリア機能は,様々な外部環境に影響を受けるが,炎症という内部環境変化とも相互に関係し合う.透過性バリア機能障害により炎症(特にTh2型)が誘導される(Outside to Insideクロストーク).Th2サイトカインなどの様々な炎症性サイトカインやヒスタミンなどは皮膚バリア機能を低下させる(Inside to Outsideクロストーク).ケラチノサイトにおけるフィラグリンやPPARαの低下やPAR2の上昇は,皮膚バリア機能異常とアレルギー性炎症の惹起・亢進の両者に関与する(Intrinsicクロストーク).

著者関連情報
© 2014 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top