皮膚バリア機能は,透過性バリア,抗菌バリア,免疫学的バリアからなり,相互に関係し合う.皮膚バリア機能は,様々な外部環境に影響を受けるが,炎症という内部環境変化とも相互に関係し合う.透過性バリア機能障害により炎症(特にTh2型)が誘導される(Outside to Insideクロストーク).Th2サイトカインなどの様々な炎症性サイトカインやヒスタミンなどは皮膚バリア機能を低下させる(Inside to Outsideクロストーク).ケラチノサイトにおけるフィラグリンやPPARαの低下やPAR2の上昇は,皮膚バリア機能異常とアレルギー性炎症の惹起・亢進の両者に関与する(Intrinsicクロストーク).