抄録
風疹と臨床診断もしくは疑った36例について,咽頭ぬぐい液からの風疹ウイルスゲノム検出法が麻疹や薬疹との早期鑑別に有用であるかを検討した.最終診断は風疹が36例中28例,中毒疹・薬疹は8例であった.EIA法のみでは27例が風疹か否か診断できたが,診断に至らなかった7例が本法により風疹の診断に至った.風疹群では38℃以上の発熱,血小板減少,AST・ALT・CRP上昇が中毒疹・薬疹群と比べ有意に高率にみられた.本法は1回の検査で診断が可能かつ短時間で結果が得られ,風疹の早期診断に有用であると考えられた.