2016 年 126 巻 12 号 p. 2275-2280
巻き爪の重症度判定を客観的に行うための評価法を考案した.健常爪と巻き爪それぞれ24母趾で,爪甲遠位遊離端での爪甲両側縁の幅と爪甲近位の見かけ上の幅を,それぞれ爪甲の実寸幅で割って爪幅狭小化率を算出した.健常爪では遠位爪幅狭小化率が平均80.5%であったのに対して,巻き爪では平均32.4%と顕著な差がみられた.また,超弾性ワイヤーによる矯正治療を行った巻き爪19母趾では,臨床的な症状改善に伴って爪幅狭小化率の数値の増加がみられた.巻き爪の重症度および治療効果判定を客観的に行うことができる本評価法の有用性が示された.