2017 年 127 巻 10 号 p. 2313-2319
77歳,男の水疱性類天疱瘡(BP)で,プレドニゾロン(PSL)内服とDFPP,ミノサイクリン,ニコチン酸アミドなどの併用をしたが,難治の症例であった.経過中に膀胱がんの再発や肺結核の疑いが生じたため,皮疹再発時に免疫抑制をきたす治療法を選択することが困難な状況であった.このため大量免疫グロブリン(IVIG)療法の併用を選択し,皮疹の再燃を抑制した.その後PSLの減量を進めながらBPの再発を防ぐ目的でIVIG療法の併用を継続した.計16クール施行し,その間再燃なくPSL漸減が可能であった.