2018 年 128 巻 12 号 p. 2625-2636
樹状細胞には,様々な機能が存在することが知られているが,もっとも主要な機能は,抗原提示能である.さまざまな外来抗原を取り込み,これをプロセスし,細胞表面へ提示する.樹状細胞は,ナイーブT細胞に,抗原ペプチドを提示して,それらを活性化し,その増殖と分化を誘導することができる唯一の抗原提示細胞(antigen-presenting cell;APC)である.さらに,樹状細胞は,種々の副刺激分子,自らが産生するサイトカイン,ケモカインによって免疫反応を文字通り質,量ともに調節する.近年,接触皮膚炎に加えて,アトピー性皮膚炎,乾癬の病態形成における役割や腫瘍免疫への関与が明らかになってきた.