2019 年 129 巻 12 号 p. 2503-2511
グローバル化,温暖化に伴い日本でも蚊媒介感染症の流行が危惧される.蚊媒介感染症はマラリアとリンパ浮腫以外はほとんどがウイルス性であり,他の発熱性疾患との鑑別が難しい場合も多いが,症状の出現時期や随伴症状などにそれぞれの特徴がある.風疹,麻疹,EBウイルス感染症,急性HIV感染症などの感染症だけでなく重症薬疹も鑑別すべき疾患としてあげられる.綿密な病歴聴取,流行している感染症の把握が必要である.また4類感染症に指定されている蚊媒介感染症は,疑った場合速やかに保健所に届け出る.