2020 年 130 巻 9 号 p. 2031-2034
太陽光は人間の健康にとって利益と不利益の両面をもたらす.太陽光に露光することは,種々の皮膚疾患や季節性疾患の治療や予防に有用である.太陽光中の紫外線は皮膚でのビタミンD3の合成に必須である.血清ビタミンD3の低下によって死亡率や種々の癌の発生頻度が上昇する.一方紫外線は皮膚に対して急性及び慢性の障害(光老化)を引き起こす.光老化の予防にはサンスクリーン剤を中心とした紫外線防御を行う必要がある.光老化を防ぎつつビタミンD3の低下をきたさないような適切な紫外線防御が重要である.