2021 年 131 巻 12 号 p. 2555-2562
世界中で薬剤耐性(AMR)対策として抗菌薬の適正使用が求められている.痤瘡においては,アクネ菌の異常増殖が増悪因子となるため,抗菌薬治療が行われる.そのため,薬剤耐性アクネ菌が出現・増加し,抗菌薬治療の有効性を低下させている.アクネ菌の薬剤耐性は遺伝子変異が主因であったが,耐性遺伝子の伝播による多剤耐性株が増加しており,薬剤耐性のさらなる拡散が危惧される.薬剤耐性菌の出現と拡大を防止するためには,薬剤耐性アクネ菌の特徴と耐性メカニズムを知り,適切な抗菌薬治療を行う必要がある.