2021 年 131 巻 6 号 p. 1511-1524
皮脂欠乏症に対する認識とその治療実態を把握するために,皮膚科,小児科を始め複数の診療科の医師1,088名にアンケートを実施した.その結果,臨床現場では,皮膚科医に限らず広い領域の診療科の医師は,多くの疾患や状態が皮脂欠乏症をきたしうることを認識しており,その皮脂欠乏症は治療が必要で,医療用保湿剤が重要であると考えている.一方で多くの医師は軽症の場合には医療費も意識してセルフメディケーションを活用することや,美容目的には処方しないようにしているなど,保険診療の枠組みも意識していることが明らかになった.