2023 年 133 巻 1 号 p. 37-43
90歳女性.約10年前に両側難治性中耳炎を発症.MPO-ANCA陽性からANCA関連中耳炎と診断され副腎皮質ステロイド薬で加療された.当科初診の3カ月前より左下腿に紫斑,潰瘍が出現.皮膚生検で真皮全層に多核巨細胞を混じる出血性壊死性肉芽腫性病変と,小静脈のフィブリノイド変性を伴う二次的な血管破壊像を認めた.肺,腎病変はなかった.自験例でみられた壊死性出血性肉芽腫性炎症は,白血球破砕性血管炎と共に多発血管炎性肉芽腫症の特徴的な病理組織像である.皮膚病理組織からみた多発血管炎性肉芽腫症と,MPO-ANCA陽性例の特徴について考察した.