2023 年 133 巻 7 号 p. 1663-1669
生物学的製剤の登場によって従来の治療薬を遥かに凌ぐ有効性がもたらされ,乾癬に代表される炎症性疾患の治療の進歩は目を見張るものがある.生物学的製剤は,既存薬剤の適応拡大と新規薬剤のどちらもの形で次々に実臨床現場に参入し,これまで有効な治療法のなかった疾患にも明るい兆しが見えている.一方で,生物学的製剤の投与により,別の疾患が新たに誘発されたとする報告も増えている.サイトカインバランスが変化するためと思われるが,このような貴重な症例を通じて,病態を深く考察することも重要である.本稿では,生物学的製剤を使用した新規治療が期待される難治性疾患と,炎症性皮膚疾患のサイトカインバランスなどについて概説した.