2024 年 134 巻 13 号 p. 3267-3295
皮膚付属器は,個体発生の過程において調和のとれた上皮―間葉系相互作用の結果として形成される.皮膚,ひいては個体の恒常性を維持するには必須の小器官であるが,形態学的・組織学的に複雑な構造を有し,毛周期に代表される固有の自己再生様式や,脂腺,汗腺における特徴ある分泌様式など独自の生理的・機能的特徴をもつため,学習しにくいとされるトピックの1つでもある.本稿は毛包・脂腺・汗腺について臨床医として知っておきたい知識にフォーカスし,理解の手助けとなるようまとめたイラストとその図説である.