2025 年 135 巻 1 号 p. 73-83
過去12年間に当科で経験した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症11例を後方視的に解析した.症例は男性7例,女性4例であった.2例を除く全例に喘息がみられ,腎臓(n=4),心臓(n=2),末梢神経(n=9),肺(n=6),消化管(n=3)などの臓器病変が認められた.検査所見では,IgE値の上昇(n=9),末梢血好酸球増多(n=10),抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性(n=4)が認められた.14検体の生検標本中,全てで真皮に顕著な好酸球浸潤を認め.また,白血球破砕性血管炎(n=4),好酸球性血管炎(n=3),肉芽腫性動脈炎(n=3)など多彩な皮膚血管炎の像が観察された.